経営判断の難しさは「答え」が未来にしかないこと。
今日(&明日)は、ドラッカー塾です。
「我々は何を廃棄すべきか?」
が今日のドラッカーさんからの問いです。
経営者の仕事とは、
昨日を陳腐化させ、明日を創り上げること、
経営者の仕事とは、
組織の資源と労力を、最大の機会、最大の成果の上がる分野に適切に配分することである、
と。
さらに、廃棄できた経営者は成功していると。。。
京都の山本精工の事例は、確かにすごいです。
元々、お父上の代では鉄工所としてアルミの自動車部品の下請け仕事を中心に経営してきた山本精工だったそうですが、
二代目(息子さん)が、
理想の工場を作りたい!
と会社の売上の80%を占める下請け業務をやめてしまいました。
モノ作りが得意なのに、そういう社員が多くいるのに、同じものを作り続けるいわゆる3Kを続けるのはおかしい、
モノ作りに関わる人間の価値は、それを作り出そうとするプロセスにある、つまり、どのようにしてそれを作りだすか、
企画、アイディア、そしてコスト感など考え作り上げることがモノ作りに関わる人間のやり甲斐であり幸福であると。。。
ゆえに、なんと!、売上の80%を占める単なる部品工場の業務をお断りし、3年間かけて別の会社に変貌させたという話です。
しかし、その3年間は、社員にロクに給料も払えなかったそうですので、社員みんなでカップラーメンをすすりながら乗り越えたとのことです。
見事、油まみれの工場から、油などまったく感じられない、誰も作れないものをハイクオリティーで安く、しかも小ロットでもOK、の工場に変貌させたのです。
ご興味のある方は、ぜひ、このビデオをご覧ください。
これを実現するためには、夢、強み、そしてそれを共有できる社員たち、が必要ですが、それを見事にやってのけたという訳です。
廃棄する勇気、そして、継続する勇気、さらには、一見廃棄した方がいいようなものに再投資する意思決定、どれを取ったとしても、経営者の意思決定が会社の未来を左右することに変わりはありませんね。
その判断結果は、未来にしかないのですから、分かった時には遅い!訳ですから、経営者の責任は重いですね。
だから、胃が痛くなるのでしょうね。(^^ゞ