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ジツザイ化がサイト改善に有効な理由と、その事例

【Webコンサルティング_戦略】EC構築 コンサルティングレポート・コラム no.1

◎このコラムで伝えたいこと
    ⇒ジツザイ化で得られる効果について。具体的には・・・
  • 購入や申込などのアクションにあたり、ユーザー自身も意識していなかった「心のスイッチ」、
    または購入へのハードル
    を見つけ出すことができる。
  • ユーザーが誰なのか明確なため、言葉遣い、伝えるべき情報、配色、
    フォントの大きさ、導線
    まで、すべて詳細に設計できる。
  • ユーザーを徹底的に知り尽くすことで、運営側もユーザーの気持ちを理解し、
    ユーザー視点を持つことができる

今回は、ジツザイ化で得られる効果について、特にサイト診断に関する部分を、詳しくご紹介致します。

「社内の他部署にサイトをチェックしてもらえば、改善点が見つかるのでは?」
「ユーザビリティのチェック項目表があれば、サイト改善できるのでは?」
「ペルソナとの違いは何か?」

『ジツザイ化』という調査手法について、このような質問、ご意見を頂くことがあります。
結論、社内の声も、ユーザビリティチェックもペルソナも、どれもサイト改善にとって重要です。

しかし、ユーザー(お客様)の生の声を聞くジツザイ化は、自社の人間はもちろん、
ユーザー自身さえも意識していなかった、購入におけるハードルや、
ユーザーが求める心のスイッチ」(インサイト)を見つけ出すことが可能です。

そして、何よりもユーザーを深く知ることで、社内メンバーも、私たちも、
ユーザーの気持ちを理解し、ユーザー視点を持つことが可能になります。

それはその後の競合調査や、自社の強みを確実にユーザーに伝えるための
大きなヒントになるのです。

■1.ジツザイ化とは?

ユーザーの属性・趣味趣向の把握だけでなく、生活分析から、競合との比較の際の
ポイント、購入への背中を押すポイントまでを洗い出す手法となります。

<確認するべきポイント>
  • 顧客は平日と休日、どのような生活をおくっているのか
  • 顧客とそのサービスはどこで出会うのか
  • 顧客は、そのサービスを利用する本当に目的は何か
  • 顧客がWebでどのようにそのサービスを探し、比較し、購入まで、どのような
    ポイントを重要視しているのか
  • 顧客はどのような言葉に反応しているのか

ペルソナとよく似ていると思われるかもしれませんが、ペルソナは複数の
実在するお客様の平均値を抽出した架空のお客様です。
ジツザイ化とは、実在しているお客様の生の声を、そのまま参考にするといった点が違います。

■2.ジツザイ化の具体例

ある健康機器のメーカー様のECサイト制作における、ジツザイ化の事例をご紹介します。

<ターゲット>

  • 小さな子供がいる主婦。
  • 生活には比較的余裕があり、きちんと品質を見て買い物をするタイプ。

そこで、ジツザイ化ユーザーとして、以下のお二人に協力して頂きました。

  • 情報収集をしている段階のユーザーAさん
  • そのメーカーのファンであり、インターネットで商品を購入予定のユーザーBさん

<Aさんの場合>
色々なサイトを見た結果、「生協推奨」という商品を扱うサイトで購入しました。

お世辞にもデザイン性が高いとは言えず、購入フォームも使いづらいものでしたので、
ここで買うの?と驚いたのですが、
『どのメーカーもよくわからないし、その中で「生協」というキーワードはとても安心するんです』
と言われました。

これは私たちの目線では、なかなか気づくことができないポイントかもしれません。
初めてその商品を買うときの不安な気持ちまで想像する、ということの重要性を実感した言葉でした。

<Bさんの場合>
既にそのメーカーのファンであるBさんでしたが、ファンであってもメーカーサイトで購入できない、
という結果になりました。

ユーザビリティの悪さももちろん、アフターフォローのわかりにくさや、
付属の消耗品とのセット販売がなかったことが理由でした。

これは、実際にその会社の商品を購入し、使用しているユーザーだからこそわかる
不満であり、ただ第三者がサイトを眺めているだけでは、気付くことが難しいポイントです。

※上記の例はジツザイ化を行った結果の一例であり、実際の例では
「購入できるポイント」「購入出来ないポイント」が多岐にわたりました。

■3.まとめ

今回は、ユーザーにサイトを見てもらう、というジツザイ化の一部の事例紹介でしたが、
それでもサイト改善において、以下の大きな収穫がありました。

  • ユーザー自身も気付いていない、サイトの良い点、悪い点に気づくことができる
  • 自社の良さがきちんと伝わっているか、をチェックできる。
  • 購入という、ゴールに向かうためにクリアすべきハードルが見えてくる。
  • ユーザーが、サイトを見る上で重視するポイントに気づくことができる。
    それによって、競合調査の精度をあげることができる

特に、「購入を検討している」顕在ユーザーは、検索→比較→検討の段階を
クリアしており、あとは小さな改善で売上アップにつながる可能性があります。

また、何かのきっかけがあれば興味、関心を抱く「潜在ユーザー」と、すでに検索段階にある
「情報収集ユーザー」にもジツザイ化は有効です。
この層のジツザイ化については、また別の機会でご紹介させて頂きます。

ユーザーの生の声は宝の山です。

しかし、ただアンケートをとれば生の声が集まる、というものではありません。
ユーザーの人物像を徹底分析し、心の動きを細かくヒアリングしていくことが
「ジツザイ化」の成功に極めて重要です。

次回は、ジツザイ化とペルソナの比較について、ユーザーの徹底分析の例を交えて、
詳しくご紹介致します。


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